自筆証書遺言作成の注意点
自筆証書遺言は慎重に!
自筆証書遺言は自ら簡単に作れるというメリットがありますが、民法は厳格な要件を定めています。この要件を満たさなければせっかく作成した遺言が無効になりますので、慎重に作成しましょう。
自筆証書遺言作成の注意点
自筆証書遺言作成の要件は「遺言の全文、日付を自ら書き、署名押印すること」です。封筒に入れるか入れないかは遺言者の自由ですが、秘密の保持や偽造変造防止のため、封筒にいれたほうが良いです。以下にそれぞれの注意点を記載します。
- 自書について
- パソコンによって作成することや他人に代筆させることはできません。遺言の内容を録音したり録画したりしたとしても法的な強制力はなく、遺言としては無効です。不動産目録などを遺言書に添付し作成する場合には、目録についても自筆で作成する必要がありますのでご注意ください。
- 日付について
- 年月日を明らかにして記載する必要があります。西暦でも元号でもどちらでも構いませ ん。平成21年3月吉日という記載は日付を欠きますので、無効です。もっとも日付まで確定ができればよいので、平成21年私の誕生日といった記載は問題ありません。しかし、争いを防ぐためにも、年月日を明らかにして記載しましょう。
- 署名について
- 遺言者が氏名を自ら記載します。氏名については遺言者を確認できれば足りますので通称、ペンネームなどでも構わないと考えられていますが、紛争を招くおそれもありますので、戸籍上の氏名を正確に記載しましょう。
- 押印について
- 使用する印には制限はありません。実印でも認印でも指印でもよいと解されています。もっとも、認印・指印では誰のものであるか疑義が生じるおそれがありますので、実印を使用するのがよいでしょう。
- 訂正方法について
- 遺言の内容を訂正するためには、訂正箇所を、二重線などで抹消し訂正した上で、その場所に押印し、遺言者が、訂正の場所を指示し訂正した旨を付記して(欄外に、「本遺言書○行目3字訂正など」)、付記部分に署名しなければなりません。この要件を満たさない限り訂正の効力が生じませんのでご注意ください。